日本の面影

版木画©︎ 中島 通善 オフィシャル ウェブサイト

プロフィール

『版木画』とは、『版木の彫りと摺りがつくる画』といった意味で自分の木版画に私がつけた名です。基本的には『浮世絵伝統木版画』と同じ道具と材料とを使った手仕事ですが、私の場合、自分で描いた下絵(自画)を自分で版木に彫って(自刻)自分で摺って(自摺)います。大きな違いは摺りにあります。版画は摺り物ですから摺りが生命となります。
私の木目が摺り出された透明感ある鮮やかな摺りは、長年かけて自分で編み出したものです。日本ではもちろん、ロンドンやサンフランシスコなどで展覧会をやると必ず木目はどうやって出るのかと問われますが、材料や道具のあんばいや見分け方をはじめ気候や精神状態もあって簡単には説明できません。一作品一日一枚いいものが摺れれば大成功です。(日貿出版社刊『心にのこる日本の面影』中島通善版木画集 参照)

木目や色彩の透明感も、版木を摺ってはじめて出るもので、他の伝統木版画やリトグラフなどの版画をはじめ手描き画では出来ません。それでも木目は30枚も摺れば出にくくなり、そうは沢山摺りあげられるものではありません。

また、絵のモチーフや構図についてもよく質問を受けますが、これらはすべて私が幼い頃からの日本、東京での生活体験を記憶に基づいていて、タイトルの『日本の面影』もそこから出てきたものです。それは決してノスタルジアをテーマにしたものではなく、今も日常の生活にあるし、将来も日本にあっておかしくない風景や風情であると信じているからです。

中島 通善 Nakajima Tsuzen

なかじま つうぜん
1944年3月生まれ。
代々東京浅草の出身の江戸っ子。父は仏教家、母は蒔絵師の娘。
都立北園高校、早大文学部美術専修卒。
16歳より木版画を始め,出版社勤務などを経て独学で自画・自刻・自摺による木目を生かした透明感ある独自の木版画「版木画」を確立。
浮世絵を超える鬼才の版画家として英国、米国、フランス、スペイン、ドイツ、オーストリア、オーストラリア等で注目されている。

1999年8月 NHKラジオ「いきいき倶楽部」に出演(2000年6月19日再放送)。
2000年4月 米国サンフランシスコ桜まつりで個展。2003年にも招聘される。
2001年5月 英国「JAPAN 2001」に招聘され、現代日本の版画家を代表してロンドンで個展開催。
2002年 財務省印刷局で講演。
2004年4月 パイオニアよりDVD「日本の面影」(音楽/ジョセフ・カーン・版木画/中島通善)を発売。
2005年5月 日貿出版より新画集 日本の面影「粋」を出版。
2005年7月 富山県朝日町立ふるさと美術館にて展覧会開催。
2005年11月 シドニー グローバルギャラリーにて個展開催。
2006年度 PHP研究所発行「月刊Voice」表紙担当
2008年6月 日仏交流150周年 パリ日仏文化センターにて個展開催
2008年9月 日仏交流150周年 パリ近郊 ダマリー市主催 シャトー・デ・ブーヨンにて日本人初の個展開催
2010年9月 パリOVNI新聞主宰ギャラリーEspas Japonにて個展
2010年10月 パリ郊外 ダマリー市主催 シャトー・デ・ブーヨンにて2度目の展覧会
2010年11月 南仏ロードン市主催 Laudun Le Japon Maitre des Arts に招待作家として展覧
2011年12月 2011年12月 大統領が唯一後援する、フランス最高画壇 ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール、ルーヴル美術館カルセール・ド・ルーヴル展 において12点展覧、木版画での銀賞受賞は150年の歴史のなか記録が無く、極めて異例であり快挙といわれる受賞を果たした。
2012年7月 ソシエ・ナショナル・デ・ボザール サロン会員となる。
2012年11月 フランス・サンモール市より最も優れたアーティスト1名に贈られるサンモール市長賞受賞。
2014年10月 バヴァ・ヂュ・ロン美術展において、古くから画家の村として有名なグレ市より、グレ市長賞を受賞。
2014年12月 大統領が唯一後援する、フランス最高画壇 ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール、ルーヴル美術館カルセール・ド・ルーヴル展において2011年の銀賞に続き日本の静かな風情が感動的な作品とサロン特別賞を受賞。
2015年6月 ウクライナ・キエフ ハネンコ美術館にて国際交流基金と日本大使館後援の中島通善展開催
2015年12月 ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール カルセール・ド・ルーヴル展において、昨年につづきウジェーヌ・ブーダン賞を受賞。木版画で3度の受賞は例がなくフランス美術会が騒然となる。
2017年2月 マルセイユ市、マルセイユ日本総領事館共催 京焼と版木画の展覧会「空と土の融合美術展」に、日本を代表する木版画として「版木画」約30点を展覧。
2018年12月 ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール カルセール・ド・ルーヴル展において、2度目の銀賞受賞。今回は外部の審査員による厳しい審査のなかの受賞。中島版画が広くフランスに認められた受賞といえる。
2019年12月 ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール カルセール・ド・ルーヴル展において、初の金賞受賞。8年目にして最高位の受賞をはたした。